文節の分け方 中学国語

中1国語文法で文節の分け方について学習します。
各品詞についての学習が終わっていない中1の段階で、文節の分け方について完全に理解することは本来であればまだ難しいのですが、分け方のコツと間違いやすい注意点について解説してみたいと思います。

まず最初に文節とは何かというと、「文を、ことばの意味をこわさず、発音も不自然にならないようにできるだけ短く区切った一つのまとまりのこと」とされます。
自立語が一つか、自立語に付属語がついたもので一つの文節となります。
自立語とはそれだけで文節を作ることができる単語をいい、付属語とはそれだけでは文節を作ることができず、自立語に付いて文節を作る単語のことをいいます。

文節の切れ目を見つけるときには「」ということばを入れて考えてみるのが一般的な方法です。
例えば、「僕は昨日父とバドミントンをした。」という文を文節に分けてみると、
僕は/ 昨日/ 父と/ バドミントンを/ した。 と分けられます。

文節に分けるときに間違いやすいポイントしては次のようなものがあります。
(1)文節に分けられそうで分けられない単語
➀「そうだ」「らしい」「ようだ」
例えば、「今日の午後は雪がふるそうだ。」という文を文節に分けてみると、
今日の/ 午後は/ 雪が/ 降るそうだ。と分けられます。
降る/ そうだ とはならないことに注意しましょう。「そうだ」「らしい」「ようだ」は助動詞と呼ばれる品詞になります。助動詞は付属語なので単独では文節を作ることができない単語です。
➁複合動詞
例えば、「犬が庭を走り回る。」という文を文節に分けてみると、
犬が/ 庭を/ 走り回る。と分けられます。
走り/ 回る とはならないことに注意しましょう。複合動詞とは二以上の単語が結びついてできた動詞になります。複合動詞は全体で一つの意味のまとまりになっているため文節には分けません。

(2)文節に分けることができないようで分けなければならない単語
➀「こと」「とき」「もの」
例えば、「今日学校で良いことがあった。」という文を文節に分けてみると、
今日/ 学校で/ 良い / ことが/ あった。と分けられます。
/ 良いことが/と一文節にしないように注意しましょう。「こと」「とき」「もの」は形式名詞と呼ばれる品詞になります。形式名詞とは名詞としての本来の意味が薄れ、形式的に使われる単語になります。形式名詞も名詞ですので自立語であり、単独で文節を作ることができます。
➁補助動詞
例えば、「姉が作ったクッキーを食べてみる。」という文を文節に分けてみると、
姉が/ 作った/ クッキーを/ 食べて/ みる。と分けられます。
/ 食べてみる/と一文節にしないようにしましょう。ここでの「みる」は補助動詞と呼ばれる品詞になります。補助動詞とは動詞としての本来の意味が薄れ、補助的に使われる単語になります。ここでの「みる」は、本来の「見る」という意味が薄れ、上の「食べて」という単語の意味を補う働きをしています。補助動詞の例としては、「みる」の他、「ある」「いる」「くる」「しまう」などがあります。また補助動詞の前には、「て(で)」が付いていることが多いので補助動詞を見つけるときの手がかりにするとよいでしょう。補助動詞も動詞ですので自立語であり、単独で文節を作ることができます。
➂補助形容詞
例えば、「先生のジョークはおもしろくない。」という文を文節に分けてみると、
先生の/ ジョークは/ おもしろく/ ない。と分けられます。
/ おもしろくない/と一文節にしないようにしましょう。ここでの「ない」は補助形容詞と呼ばれる品詞になります。補助形容詞とは形容詞としての本来の意味が薄れ、付属的に使われる単語になります。補助形容詞の前には「は」を入れることができるので見つけるときの手がかりにするとよいでしょう。例文の「おもしろくない」は、おもしろく(は)ないというように「は」を入れても意味が壊れないので「ない」が補助形容詞であると判断できます。補助形容詞も形容詞ですので自立語であり、単独で文節を作ることができます。
ただし、「ない」を文節に分けるかどうかどうか判断するときは、助動詞「ない」との区別が必要です。
例えば、「今日は図書館へ行かない。」という文を文節に分けてみると、
今日は/ 図書館へ/ 行かない。と分けます。
この文の「ない」は動詞に付く助動詞ですので文節には分けられません。

生徒さんから質問の多い項目や、中学校の定期テストでよくポイントとされる点について解説してみました。少しでもお役に立てれば幸いです。
中1の段階では完全に理解することはまだ難しい面もありますが、各品詞の学習が終わった後、受験対策としてもう一度確認してみると理解が深められることと思います。

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