中学校で学習する敬語について解説します。
中学校で習う敬語には丁寧語、尊敬語、謙譲語、美化語があります。まずはそれぞれの定義について解説します。
➀丁寧語
話す人や書く人が、その話を聞く人や読む人に敬意を表すために用いられることばです。
➁尊敬語
相手や話題の中の人に対し敬意を表すために用いられることばです。
➂謙譲語
自分の動作や行為を受ける人を敬うために用いられることばです。
➃美化語
特に誰かを敬うわけではありませんが、話し手や書き手が自分自身が使う言葉を美しくするために用いられることばです。
このうち、➀の丁寧語は主に、「~です」・「~ます」・「~ございます」という形をとるのでそれで判断ができます。
また、➃の美化語は主に「お薬」、「お寿司」、「ご飯」、「ご家族」などのように「お〇〇」・「ご〇〇」の形をとるのでそれで判断ができます。
生徒さんから質問が出たように紛らわしいのは➁尊敬語と➂謙譲語の区別です。
漠然と区別しようとする難しいのですが、あるポイントを1点理解すると判断ができるようになります。
まずは例文で見てみましょう。
私と敬意を表す相手を校長先生として考えてみます。
➀「校長先生が私の教室に来る。」これを敬語に直すと「校長先生が私の教室にいらっしゃる。」となります。
➁「校長先生が私の手紙を見る。」これを敬語に直すと「校長先生が私の手紙をご覧になる。」となります。
➂「校長先生が私と一緒に給食を食べる。」これを敬語に直すと「校長先生が私と一緒に給食を召し上がる。」となります。
➃「私が校長先生の所へ行く。」これを敬語に直すと「私が校長先生の所へ伺う(参る)。」となります。
➄「私が校長先生から賞状をもらう。」これを敬語に直すと「私が校長先生から賞状をいただく。」となります。
➅「私が校長先生に言う。」これを敬語に直すと「私が校長先生に申し上げる。」となります。
典型的な敬語を挙げてみましたが、➀~➂が尊敬語、➃~➅が謙譲語となります。➀~➂は全て尊敬するべき相手である校長先生の動作の言い方を変えています。➃~➅は全て自分の動作の言い方を変えています。
つまり、尊敬語と謙譲語を見分けるポイントとは、
敬意を表すべき相手(相手側)の動作の言い方を変えているのが尊敬語、自分(自分側)の動作を表す言い方を変えているのが謙譲語ということになります。
尊敬語と謙譲語についてはこの考え方でほぼ区別がつくものと思います。