漢詩 「黄鶴楼にて孟浩然の広陵に之くを送る」 中学国語

今日は漢詩「黄鶴楼にて孟浩然の広陵に之くを送る」について解説します。
※左から右に読んでください。
※レ点、一二点は省略しています。教科書等を参照してください。
故 人 西 辞 黄 鶴 楼
煙 花 三 月 下 揚 州
孤 帆 遠 影 碧 空 尽
惟 見 長 江 天 際 流

【書き下し文】
故人西の方黄鶴楼を辞し
煙花三月揚州に下る
孤帆の遠影碧空につき
惟だ見る長江の天際に流るるを

【現代語訳】
古くからの友人(孟浩然)が西の方にある黄鶴楼に別れを告げ、
春霞立ち込め花が咲いている三月に揚州へと下って行く。
たった1つの船の帆が次第に遠ざかり青空の中見えなくなり、
ただ長江が天に向かって流れているのを見るだけだ。

【ポイント】
➀作者は李白
➁詩の形式は七言絶句(4行の構成(つながり)は起承転結という)
➂楼・州・流が押韻
➃四句(結句)に倒置法が用いられている
→「惟だ長江の天際に流るるを見る」が倒置法を使わない本来の語順
➄作者李白が、旧友である孟浩然が広陵へ船で旅立つのを見送っています。船がだんだん遠ざかり、帆が青空に吸い込まれて見えなくなっていくのに対し、大河長江が天の果てまで悠々と流れていく様子の対比も読み取れます。友との別れを惜しむ気持ちと共に、この自然の描写も読み取ってください。

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