漢詩「春望」 中学国語

漢詩「春望」について解説します。
※左から右に読んでください。
※レ点、一二点は省略してあります。教科書等を参照してください。
国 破 山 河 在
城 春 草 木 深
感 時 花 濺 涙
恨 別 鳥 驚 心
烽 火 連 三 月
家 書 抵 万 金
白 頭 掻 更 短
渾 欲 不 勝 簪

【書き下し文】
国破れて山河在り
城春にして草木深し
時に感じては花にも涙を濺ぎ
別れを恨んでは鳥にも心を驚かす
烽火三月に連なり
家書万金に抵たる
白頭掻けば更に短く
渾て簪に勝へざらんと欲す

【現代語訳】
都は戦乱で破壊されたが山河は以前のまま残っている
城があったところには春がやってきて草や木が生い茂っている
戦乱が続く時世を考えて花を見ても涙を流し
家族との別れを恨んでは鳥のさえずる声を聞いていても心が痛む
戦ののろしは三ヶ月も上がり続けており
家族からの手紙は大金と同じぐらい貴重なものだ
白髪は頭を掻くたびに抜けて短くなり
もはや簪さえつけることができなくなろうとしている

【ポイント】
➀作者は杜甫
➁詩の形式は五言律詩
➂深・心・金・簪が押韻
➃一句と二句、三句と四句、五句と六句が対句
➄戦乱が続く世の中における苦しみや家族との別離の悲しみが読み取れます。また、最後の二行からは自らの気力・体力の衰えを嘆く気持ちも感じ取れます。合わせて理解しておきましょう。

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