「適当な」ものを選ぶ 国語

国語の記号問題で、A君の答えがなかなか正解にたどり着きません。
決して国語力がない生徒さんではないのですが・・・・。

どのように読んでいるのか確かめましたが特におかしいところもありません。
1回目の解答が正解でないことはどの生徒さんにもあります。
しかし、A君は考え直した2回目・3回目の答えも不正解になってしまいます。

これはもしや・・と思い聞いてみました。
「A君、文章の内容に合っているのを選んでいるよね?」
「いいえ、文章の内容に合っていないものを選んでいます。」

思った通りでした。
問題文には「筆者の主張として最も適当なものを選びなさい。」とあります。
本来であれば筆者の主張に一番合っているものを選ぶのですが、A君は最も合っていないと思われるものを選んでいました。

これは「適当」という言葉の意味のとらえ違いから生じるものです。
「適当」ということばには、
➀ふさわしい、適している
という意味の他に
➁いい加減
といったニュアンスの意味があります。
国語の問題で「適当なもの」と言われたときは➀の意味で使われています。すなわち、最もふさわしいと思われるものを選ぶことになります。
しかし、A君は「適当」の意味を➁の意味だと思い最もいい加減なもの、すなわち最も合っていないと思われるものを選んでいたのです。
これでは正解にたどり着けないわけです。

A君には間違いの意味を説明し理解していただきましたが、日本語の難しさを感じた場面でもありました。

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