治外法権と領事裁判権 中学歴史

中2の生徒さんから治外法権と領事裁判権の違いについて質問がありました。
日米修好通商条約の学習に関連しての質問ですが、今日はその点について解説してみたいと思います。

「治外法権」
外国人がある国にいながら、その国の管轄権に服しない権利のことをいいます。
もう少しわかりやすく言いかえると、外国人がある国にいても、その国のルールに従わなくて良い権利です。
例えば、日本にいるアメリカ人が日本のルールに従わなくてよく、自国のアメリカにいるのと同じように扱われることだと考えるとよいでしょう。

「領事裁判権」
外国人がある国で犯罪を犯したときに、その国の法律によって裁判にかけられるのではなく、自国の領事によって自国の法律による裁判にかけられることをいいます。
例えば、日本にいるアメリカ人が犯罪を犯した場合に、日本の法律で日本の裁判にかけられるのではなく、アメリカの領事によってアメリカの法律による裁判を行う権利のことです。

治外法権と領事裁判権の違いは、治外法権が立法・行政・司法の三権全てに関するものであるのに対し、領事裁判権は司法権、とりわけ裁判を受ける権利にだけ関わるものだということです。
治外法権の方が大きい概念で、治外法権の中に領事裁判権が含まれると考えてもよいでしょう。

ご参考になれば幸いです。

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